グラフ
地域の安心と活性化を担う―常陸大宮済生会病院
pp.185-188
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100287
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常陸大宮済生会病院が建つ常陸大宮市は茨城県の北西部に位置し,2004年に大宮町,山方町,美和村,緒川村,御前山村が合併してできた新しい市である.当院開設以前,この常陸大宮市を含む常陸太田・大宮サブ保健医療圏は,医師数が1996年時点で人口10万人対65.9人と県平均を大きく下回り,県内で唯一中核的な病院が存在しない医療過疎の地域であった.そのため地域の重症患者や救急患者は,水戸市や日立市の病院に依存せざるを得なかった.そうした状況は住民の声となり,病院誘致活動へと発展していった.具体的な誘致活動は,1998年に1万人を超える署名を集めた「総合病院誘致に関する陳情」の議会提出を発端とし,その後総合病院誘致期成同盟(旧大宮町等12市町村で構成.以下,期成同盟)が設立され本格化していった.市町村合併を前に行われた住民アンケートでも,7割を超える住民が医療の充実(総合病院の誘致)を望んでいるという結果が出て,誘致活動を後押しする形となった.
期成同盟による誘致活動は当初,不景気や医療費抑制政策などの社会情勢の中で難航したが,茨城県知事の誘致表明を受け加速し,懸案であった建設資金も合併特例債の活用と県からの支援,また期成同盟の各市町村も県と同額を負担することで目処がついた.
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