連載 病院ファイナンスの現状・5
銀行から見た病院ファイナンスの課題 「情報の非対称性」と「低い売上高水準」
福永 肇
1
1国際医療福祉大学医療福祉学部医療経営管理学科
pp.69-73
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100230
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11月号,12月号では銀行での病院宛融資審査のファーストステップである「企業格付」についての解説をいたしました.病院の法人自身の「企業格付」がパスして初めて,病院が希望する個別融資案件に対しての「案件格付」付与というセカンドステップでの作業と検討が銀行内で始まります.
銀行には病院専用の審査評価基準や特別のファイナンス手法はありません.一般企業と同じ審査です.ところで,病院では「あたりまえ」として気にしないことの中には,多くの一般企業とのビジネスを行っている銀行では,病院独特の課題点として論議されていることがあります.それらの内,今月号では銀行からみた病院ファイナンスでの課題として「情報の非対称性」の存在と「医業収益の水準」について説明させていただき,「案件格付」段階での融資審査における具体的な課題点については次号以降のファイナンス解説の中で触れてみます.
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