連載 病院ファイナンスの現状・2
銀行の病院審査の変遷
福永 肇
1
Hajime Hukunaga
1
1国際胃腸福祉大学医療福祉学部医療経営管理学科
pp.857-859
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100907
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●フォローの風が吹き続けた平成の15年間
1.設備投資案件が出てきた病院
平成時代に入ってバブル経済が崩壊し,わが国の経済は調整を余儀なくされてきました.民間金融機関(以下「民間銀行」または「銀行」と表記)の融資残高で不良債権に分類される貸付債権が増加し,現在まで銀行は不良債権処理に終始しています.
しかし一方で,このような経済状況・景気から独立して,民間病院では厚生政策の要請もあり設備投資案件が出てきました.設備投資案件とは具体的には消費税を財源としたゴールドプラン(平成2年度,平成7年度からは新ゴールドプラン)などによる老人保健施設(老健),特別養護老人ホーム(特養),療養型病床群などの建設・整備です.平成12年には介護保険制度開始とゴールドプラン21によっても介護サービス施設の設備需要が発生しました.加えて平成12年4月の第4次医療法改正による「その他病床」の「一般病床」または「療養病床」への病床区分届出も病院にとっては大きな設備投資案件となっていきました.
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