特別寄稿
ケースシミュレーションと交渉技術を用いた病院経営教育―病院管理者への情報技術教育の一環として
開原 成允
1
,
高橋 加代子
2
,
外山 比南子
1
,
西川 俊哉
2
,
高橋 泰
1
,
阿曽沼 元博
1
1国際医療福祉大学/大学院
2株式会社医療福祉経営審査機構
pp.751-754
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100079
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本稿は,病院経営の教育方法について述べたものである.
日本では,過去には病院の経営環境が厳しくなかったために,病院経営学が未発達であったが,最近は事情が一変し,経営を誤れば病院が倒産しかねないような状況となっている.このため,病院経営学の重要性も再認識され,大学にも病院経営を教えるコースが見られるようになった.病院経営の教育方法については,日本ではまだ十分な経験がなく,教育コースも主として机上の教育であり,制度や経営理論などの教育に終始する場合が多いように思われる.
しかし,病院経営学は,刻々変わる状況に迅速に対応し,時に交渉相手の考え方や心理状態まで考えて対応することを学ぶ,生きた学問でなければならない.こうした問題の教育方法として欧米で採用されているのは,実例の提示とそれに基づいた討議である.
以上のことを考慮し,国際医療福祉大学大学院の医療福祉経営コースでは,ケースシミュレーションと交渉技術を内包した実例に基づく教材を開発し教育に使っている.これまで,若干の経験を積み重ねてきたのでここに発表し,世の批判を仰ぎたい.
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