症例の検討と反省
疼痛が動機づけを困難にした一症例
山崎 勉
1
1東京女子医大病院リハビリテーション部
pp.43-47
発行日 1972年2月9日
Published Date 1972/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104184
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概要
川○正○郎 男 54歳 診断名 脳血栓 右半身不随
昭和46年1月2日,飲酒中に発作を起こし,同年1月4目当院内科に入院した.右片まひを主訴とし,言語障害を伴っていた.既往歴,家族歴に特記するものはなかった.喫煙および飲酒は多いほうである.職業は会社役員として営業を担当していた.昭和46年1月20日,発症18日めより理学療法を開始した.
訓練開始初期より,患側上下肢に痙直を伴う運動痛があって,改善されないまましだいに訓練に消極的になるとともに,訓練もまた制限された.昭和46年5月13日,疼痛が改善されないまま退院,同年10月28日発作後10か月,退院後5か月で再評価のため来院したおりには,疼痛は消失していた.
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