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Ⅰ.初めに
東京都杉並区上井草保健相談所では,1985年10月より老人保健法による通所の機能訓練事業を実施しており,またそれに並行して訪問活動などを行っている(具体的内容は後述).
この2年間,当所を中心に地域リハビリテーション(以下リハ)活動を展開してきて,最近感じているのは以下の点である.
(1)障害老人に対する地域リハ活動においては,障害の原因が脳血管障害であれ,Parkinson病であれ,その基本的なアプローチに差はない.
(2)訪問活動と通所訓練は,互いに連係して初めて有効に機能する.
(3)理学療法士(以下PT),作業療法士(以下OT)は,その「資格」は武器となるが,それぞれが現在まで医療の場面でつちかってきた「専門性」は必ずしも武器とはならない.
しかし,ここではParkinson病患者に限っての報告を求められているので,現在までにわれわれスタッフ(PT,OT,保健婦)が地域で出会ったParkinson病の方々について話し合い,Parkinson病患者の地域ケアについて述べてみたい.
まず,上井草保健相談所での地域リハ活動を紹介しておかなくてはならない.
1)通所訓練
10名ずつ2グループに分かれ週2回(1日半)の訓練を行う.期間は原則として6か月で,さらに半年間,週1回半日のOB会を行う.リフト付きの送迎バスを運行.スタッフはPT,OT,保健婦(以上常勤),医師(非常勤,月2回)対象区域は杉並区のJR中央線以北で,東西約7km,南北約3kmであり,人口は約18万人.
2)訪問活動
保健婦の要請を受けて,随時行う.スタッフはPT,OT,保健婦で,必要に応じて訪問指導員,ヘルパー,福祉事務所ケースワーカーなどが加わる.対象区域は区内全域で,東西約8km,南北約7kmであり,人口は約52万人.
3)その他
区内の自主訓練会,老人会,Parkinson病友の会などへの援助など.
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