Japanese
English
特集 Parkinson病
Parkinsonismの理学療法
Parkinson's Disease: Physical Therapy for Parkinsonism
藤谷 尚子
1
,
水落 和也
1
,
三浦 こずえ
1
,
徳永 里恵
1
Hisako FUJITANI
1
,
Kazuya MIZUOCHI
1
,
Kozue MIURA
1
,
Rie TOKUNAGA
1
1横浜市立港湾病院
1Department of Rehabilitation Medicine, Kowan Hospital, Yokohama City.
pp.288-295
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104018
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Ⅰ.初めに
Parkinson病の有病率は我が国では10万人当たり,約50人(厚生省変性症神経疾患調査研究班,19811))で,アメリカでは50歳以上の人口の1%以上が罹患し,35~40万人の患者がいると言われている2).Parkinson病の出現率は加齢により増加し,また,Parkinson病に似た歩行障害は,器質的異常の無い老人においても生ずること3)から,今後の我が国の人口の高齢化を考えると,広義のParkinson病(parkinsonism)は重要な位置を占めると考えられる.
しかし今回の特集に当たってわれわれが調査した範囲では過去10年間をみても,欧米,日本の重要なリハビリテーション関係の雑誌にparkinsonismあるいはParkinson病を題名にした文献は少なく,またリハビリテーション成書を繙(ひもと)いてみても,parkinsonismに対する理学療法について詳細に述べ,その効果を明らかにしているものは少ない.
つまり,parkinsonismに対する理学療法はそのニーズが高まっているのに対し,実際の評価法,訓練法,訓練効果などについて未だ確立されてはいないと考えるのが妥当であろう.われわれも臨床経験は少ないため,parkinsonismの理学療法について詳しく述べることはできない.そこで本稿では,過去の文献を考察し,次に我々のparkinsonismに対する理学療法の考えかた,訓練法,実際の症例などについて述べることとする.
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