Japanese
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特集 Parkinson病
Parkinson病の薬物療法
Parkinson's Disease: Drug Therapy in Parkinson's Disease
村上 博彦
1
,
丸山 勝一
1
Hirohiko MURAKAMI
1
,
Shoichi MARUYAMA
1
1東京女子医科大学脳神経センター
1Department of Neurology, Neurological Institute, Tokyo Women's Medical College.
pp.284-287
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104017
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Ⅰ.初めに
Parkinson病は50-60歳の高齢者に発症する慢性進行性の神経変性疾患であり今日のような高齢化社会を迎え神経疾患としての重要性はますます増している.
近年,Parkinson病の病態生理,発生機序の解明が進んでいるが,真の病因はまだ明確にされていない.薬物療法にも種々の進歩がみられ,投与法のくふうや新しい治療薬剤の開発には目覚ましいものがある.しかしながら,L-ドパ(L-Dopa)を主体とする薬物療法は補充療法の域を脱せず,疾患の進行を停止させることはできない.治療の進歩に伴い,慢性化の傾向が目だってきている.また,長期治療に伴うさまざまな問題が生じている.このように,Parkinson病の長期慢性化の傾向が強まる中で,機能回復訓練をはじめとするリハビリテーションの重要性が認識されてきている1~3).また,Parkinson病の運動障害についても,病体生理学,運動学,運動力学的な分析が進み4,5),運動障害のパターンに応じてリハビリテーションが行われるようになっている.
ここでは,Parkinson病の病態,種々の薬物療法とその問題点を述べ,薬物療法とリハビリテーションとの関係について言及したい.
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