とびら
整形外科手術の成績と文化
山室 隆夫
1
1京都大学整形外科
pp.641-642
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103871
- 有料閲覧
- 文献概要
整形外科手術の成績の評価は,術後短期の評価と長期の評価との総合成績によって行われる.特に,関節に対する手術は短期成績が良くても長期成績が良くなければ高い評価を受けることはできない.関節手術の短期成績は手術術式,手術手技,術後の機能訓練によって大きく左右されることは当然である.すなわち,医療の内容によって大きく影響されるのである.これに対して,関節手術の長期成績は医療以外の要因によってかなり影響を受けることを知っておく必要がある.広い意味での文化によって大いに影響を受けると言えよう.
例えば,変形性股関節症に対するカップ関節形成術を例にとってみると,この手術では股関節の関節軟骨をすべて除去して海綿骨に近い骨面を露出し中間挿入物として金属カップをかぶせるわけであるから,関節面となるべき凸および凹の骨面に線維様軟骨が形成されるまでcontinuous passive motionを繰り返しながら徐々に荷重していくことが要求される.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.