発言席
子どもと文化
菊地 紀子
1
1墨田区きんし保育園
pp.509
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901168
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平成7年3月2日。私たちの研修母体である(東京都)特別区職員研修所において,第7回自主研究フォーラムが開催された。私は実行委員として参画。“子どもの文化・発表とシンポジウム”の分科会を担当した。サブテーマを“子どもの瞳はいつも輝いているか”に視点を置き,子どもの生活そのものの実態を探り,一歩踏み込んだ内容とした。職員,住民などさまざまな分野の方が参加し,白熱した討論が展開され,テーマへの関心の深さが改めて問われた。その時の内容を含めて“子どもと文化”について日々感ずることを述べてみたい。
“文化とは何か”。物の本によると人間の今ある精神を高めていくこととある。その意味を考えると,子どもの文化とは生活力そのものではないだろうか。また豊かなやさしい心を持ち,感動したことを伝承することも含まれる。子どもが人間らしく,たくましく育っていくためには,環境やまわりの大人の影響をとても多く受けて,また人類の残した文化遺産を身につけて育っていくことが必要なのだと思う。
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