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特集 身体障害者スポーツ
障害を克服する一手段としてのスポーツ―子供から老人まで
Sports as A Means to Overcome Disability: From Children to The Elderly
小島 良信
1
Yoshinobu KOJIMA
1
1財団法人日本身体障害者スポーツ協会事務局
1Japanese Sports Association for The Disabled, Secretary General.
pp.593-601
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103855
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Ⅰ.初めに
人間は,自らの人生をより快適に,より豊かなものとするために,さまざまな活動を行っている.レジャー,レクリエーション,それにスポーツは人間の活動の中でもっとも楽しく,豊かにすることに効果的なものと言える.テレビ,ラジオのスポーツ番組やスポーツ紙に人気があるのもそのゆえんであろう.
とかくひきこもりがちな障害者にとってスポーツは勇気と希望さらに自信を与える大きな手段となっているが,まずそれは楽しみを覚え,ストレスを解消する身体的活動でなければならない.
次にその適度の運動によって,健康を維持,増進できる効能があること.
次いでスポーツ特有の精神から共に競い合い,助け合うことによって仲間づくりをし,親密な人間関係と社会性を身に付けることができること.
そしてスポーツの競技性によって自己のより高い能力の確保を目指す訓練の積み重ねにより勇気と自信が涵(かん)養されるものであること.
本来,身体障害者のスポーツはリハビリテーションの一環として医療に活用され,身体の残存能力の回復に大きな成果を挙げてきている.
このような種々の効用をもつスポーツを楽しむことは,その機会に恵まれない障害者にとって,よりいっそう切実な願いともなっている.
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