病院設備の研究
病院の家具—外来を主として
渡辺 三喜男
1
1神戸市中央市民病院
pp.55-56
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200826
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まえがき 病院建築やその内部設計等に就ては既に色々書かれて来たが,家具の設計については余り書かれていない様である。茲では外来診察室の診察机,椅子,処置室の処置机,診察机,衝立,薬品棚,カルテ棚等を医療用家具と名付けた一定の目的を持つた家具であるから,家具屋の既成品では満足なものは得られないであろう。個人病院ならば個人の趣味に従つて,夫々工夫をこらしてよいであろう。その場合建築に附属した工事として,作り付け家具を設計すれば安価に出来上るし,空間も最大限に利用出来る。綜合病院外来では個人的な好みが出ない方がよいし,各科で共通に使用し得る型を作ることが,製作費の経済上有利である。
私は此度神戸市立中央市民病院の新築に際し,外来医療用家具を設計し,又出来上つたものを実際に使用して見ると,思わぬ缺点にも気付く,又これはよかつたと思うこともあるので,此の経験が,病院の建築や改造を計画する方々の参考になると思う。
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