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特集 痴呆を合併する患者の理学療法・作業療法
痴呆の病態とケア
Dementia and Care for the Demented Person
今井 幸充
1
Yukimichi IMAI
1
1聖マリアンナ医科大学神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, St. Marianna University School of Medicine.
pp.728-733
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103667
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Ⅰ.はじめに
高齢化社会の到来に伴い,わが国の65歳以上の老人が総人口に占める割合は増加し,昭和59年では9.9%(1,194万人)であったのに対して,15年後の21世紀には約15%に達するとされている.このような状況の中で,高齢者の身体ならびに精神老化がもたらす種々の疾患は,すでにさまざまな影響を社会や家庭に及ぼし,重要な社会問題となってきた.中でも老年期痴呆は,医療および福祉対策の上で最も困難な問題を提起している.痴呆は多くの原因疾患によってもたらされるが,アルツハイマー型痴呆は,その病因は明らかでなく,治療も対症療法と日常の介護が主体とたることからその対応に苦慮している.しかしながら現状においては,痴呆老人の適切な治療や介護指導を行っている施設は痴呆老人の全体数からすると少ないといえよう.
痴呆老人に携わる者にとって,老人への理解と適切な対応が今後ますます要求される.
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