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Ⅰ.はじめに
リハビリテーション(以下リハビリと略)に携わる施設において,備え付けるべき器具は多種多様であり,対象疾患や年齢,部屋の面積など物理的条件により,各施設に差異がみられる.また,同じ器具でも,疾患により異なった使用目的・使用方法があり,少しの工夫を加えればさらに効果的に使用できる場合もある.
治療・訓練用器具は,リハビリ機器のひとつに位置づけられてはいるが,現在では,リハビリ機器の明確な定義はなされていない.福祉機器開発センターの報告書1)によれば,リハビリ機器とほぼ同義語として用いられている福祉機器について,“福祉機器とは,心身障害者・ねたきり老人などの日常生活を便利または容易ならしめる機器,心身障害者・ねたきり老人などの治療訓練を行う機器,喪失した身体の機能の代替をする機器,心身障害者の能力開発を行う機器の総称”と規定しており,①検査・測定機器,②治療・訓練機器,③機能補填機器,④自助具,⑤介助具,⑥能力開発機器,⑦住宅,設備などの改良,⑧被服の改良,に区分している.また,日本リハビリテーション医学会2)によれば,福祉機器よりさらにその意味を限定して,“リハビリ機器とは,リハビリを必要とする対象者の日常生活および社会生活におけるその活動を支援し,あるいは増大させるために工夫されたすべての機器をいう”と仮の定義をし,①自助具,②日常生活用具,③社会環境的機器,④その他バイオフィードバック的機器,に分類している.そして,リハビリが実施されるための機器としては,この他に,評価器具,訓練器具,治療器具なども広い意味のリハビリ機器と考えられるとしている.
しかし,ここでは,治療・訓練器具に限定して,当センター理学療法部門で使用している器具を紹介し,その使用状況,背景などについて述べ,われわれの使用経験から,小児の理学療法部門に備えることが望ましいと思われる治療・訓練器具をあげてみた.
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