The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 20, Issue 2
(February 1986)
Japanese
English
特集 脳卒中の早期治療
脳卒中早期治療のリスク管理
Management of Risks in Patients with Acute Stroke
山口 武典
1
,
寺井 敏
1
YAMAGUCHi Takenori
1
,
Satoshi TERAI
1
1国立循環器病センター内科脳血管部門
1Cerebrovascular Division, Department of Internal Medicine, National Cardiovascular Center.
pp.85-88
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103503
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はじめに
脳卒中患者には,高血圧や糖尿病などを有する高齢者や,不整脈や弁膜症などの心疾患を有するものが多く見られる.このため,脳卒中急性期では脳浮腫などへの対策とともに心血管系を含んだ全身管理が必要となる.
脳卒中急性期には脳循環の自動調節能(後述)が障害されており,脳血流量は血圧依存性となることが示されている1,2).このことから,急性期における急激な血圧の下降は脳梗塞巣の拡大をまねく危険性が高く,血圧の変動に対しては十分な注意が必要である.
また,一般内科的には脱水,酸塩基平衡障害,痙攣,消化管出血,呼吸器および尿路感染症などへの管理も必要であり,リハビリテーションはこれらへの管理が十分に行われたうえで開始されるべきである.
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