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国立医科大学(新設)は昭和48年に一県一医大構想のもとに5期に分け,旭川医大,愛媛大と山形大(医学部)の三校からスタートし順次設立されていった.行政改革のなかで予算,とくに定員については厳しく,理学療法部門(OTも含む)の定員は2名という通達が存在する.この定員をなんとかせねばという思いが小生に理学療法部の実績を目覚ませるきっかけとなった.PM5:00近くなると忙殺した仕事からカルテ記載へと一区切となる頃で,今日も働いた!という実感とホットしたい気持ちが湧く.同時に今日は何人の患者を訓練したかを確認する習慣が,この4年間(開院以来)にできたのである.
まず,当部(PT3人)の実績についてみると昭和59年度診療費用請求額は29,030千円で病院全体(ベッド数600)の請求額の0.518%であった.この額,及び割台をどう見るかであるが,PTがマンツーマンで1年間に9,470人(物療は他院紹介)に理学療法を施行していることと点数が技術料中心になっていることを考慮すれば,決して低いものではないと断言できる.これ以上,金額を増す考えも,その必要性もなく,むしろ各科からの依頼が増加し患者を十分に評価,治療できる時間を維持できる体制を早急に作らねばと思うほどである.PT3人では保険点数的にも物理的にも,ある一定以上の請求は困難で制限されよう.また,事務では各診療科別の年度請求額は算出しているが理学療法部については算出していない.これは我々の点数が各科の中に包括されているためであり,大学としては各科のベッド稼働率が運営上,大きな目安となっているからである.したがって,国立医大の理学療法における保険請求額のわずかな増減は病院全体から見ると大勢に影響するものでなく,適切な患者数に理学療法を行うよう専念することが大切であろう.
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