特集 在宅ケアと病院
在宅ケアをめぐる経済的側面—医療機関とのかかわり
杉山 孝博
1
Takahiro SUGIYAMA
1
1川崎幸病院地域保健部
pp.297-302
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900611
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はじめに
厚生省統計情報部がまとめた昭和62年の医療施設調査によると,9,841病院中訪問看護を実施していたのは1,423病院で,14.5%となっている.この数字は,昭和60年の日本看護協会による調査結果(4,108病院中350病院が実施し,比率は8.5%)よりも高くなっており,病院による在宅ケアの取り組みが確実に拡大していることを示している.
昭和57年に成立した老人保健法や昭和62年6月の国民医療総合対策本部中間報告など,国の施策として在宅ケアを重視していく考え方が打ち出されているが,特に昭和63年4月の社会保険診療報酬の改定では,「在宅療養」が独立した部として扱われることになった.
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