あんてな
“84”国際障害者年推進国民会議の動向
長谷川 元
1
1川崎市心身障害センター
pp.408
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103348
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1981年国際連合はその一年間を国際障害者年とし障害者が置かれている社会の存り方について国際的規模で検討する年とした.我が国もこれに呼応して“完全参加と平等”を目指して国民的視野に立った大キャンペーンを展開し,結果行政主導の感はあったが障害者に対する認識は高まったと云える.また同時に今までは受身の立場に置かれていた障害者,患者の組織化も進み自からの手で社会参加のための活動が強化されてきた.これら全国民的な関心の高まりはこの重要かつ永遠の課題を単に1年間にするのではなく初年度と位置づけ“国際障害者年日本推進協議会”に多くの団体,個人を結集し組織的に障害者問題について多面的な討議を重ね行動を具体化している.推進協は時々刻々変動する障害者を取り巻く情勢を分析し,テーマを集約しあらかじめ政策委員会で討議を積み上げ試案をまとめ“国民会議”の場に提案し全体討議を経て行動計画を具体的に設定する.ちなみに1983年度は“障害者の生活保障の確立をめざして”“国,地方自治体の法,制度を改善するために”の2点に的をしぼり討議し84年の活動に具体的に取り組んだ.
1984年は,国の財政危機,行政改革と厳しい年で“福祉も聖域にあらず”と云う中で全体に後退を余儀無くされている印象が強い.
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