プラクティカル・メモ
男性頸髄損傷者用尿収器弁の開発
玉垣 努
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.348-349
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103332
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1.はじめに
四肢麻痺,特に手指機能を失った高位頸髄損傷者(以下頸損者)にとって,排尿の自立は,尿毒症などの泌尿器疾患や,人間の尊厳を保つという点で,必要不可欠なADLの1つとなっている。
当センターでは,宮崎1)らの尽力により,尿収器(図1),箱根式3点ブージー等が,また,OTやリハビリテーション学科での各種の尿収器(高圧浣腸弁応用型2),角リング型等)が開発され,頸損者の排尿自立が,年々増加してきている。
しかし,一部の高位頸傷者にとっては,それでも尿収器弁の開閉が困難であり,さらに尿漏れ,ゴム管のねじれ等がみられた。また,従来の尿収器弁製作には,時間がかかる,技術を要する,各種のパーツを必要とする等の理由で,当センターのみの使用にとどまっていた。
今回,安価で,容易に手に入る市販の丸型洗濯バサミを利用し,尿漏れ等を防ぎ,製作を簡易化した尿収器弁を考案したので,ここに紹介する。
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