Japanese
English
特集 脊髄損傷のリハビリテーション
女性用収尿器の工夫
A Newly Developed Urinal Device for Female Paraplegics.
橋倉 一裕
1
,
小原 瑩子
1
Kazuhiro Hashikura
1
,
Keiko Ohara
1
1国立身体障害センター
1National Rehabilitation Center for Physically Impaired.
キーワード:
脊髄損傷
,
排尿
,
女性用収尿器
Keyword:
脊髄損傷
,
排尿
,
女性用収尿器
pp.381-384
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103546
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はじめに
脳,脊髄疾患に起因する尿失禁者は多い.その病態や症状はさておき,これら患者の中で女性の障害者や寝たきり老人の尿失禁者に対する排尿汚染処理は看護上や患者の日常生活動作に関し最大な支障があることは衆知の事実である.これらの尿失禁に対しては従来布によるオシメ処理や,高価で廃棄処分に困る紙オシメやその都度使用する介助者の必要な女性用シビンや,患者にとって無理な水分摂取制限などによっていた.
しかし,現在のようにリハビリテーションの発達した段階で特に車椅子や松葉杖等で行動できる女性の脊髄損傷患者等にとってはオムツ等よりむしろ有効な女性用収尿器を欲するのが当然であろう.われわれが脊損患者等のPT,OT訓練やスポーツ訓練を行うにあたって常に悩まされ,殿部褥創による汚染とその遷延治癒は収尿器の開発に拍車をかけたのである.
従来よりあった女性用収尿器は外国製のものも日本製のものも共に柔いシビン式の大きなものを股間に密着させて排尿を下腿に取付けた蓄尿袋に集尿したものだった.
われわれは身体障害者のスポーツに出場する女性選手の車椅子による運動時(特に国際大会出場時)に大変な困難を知り,その選手達からの要望もあって,1972年以来,当センターの入所患者の絶大な協力のもとに収尿時の不便さやどんな収尿器があれば理想か,排尿時の既製収尿器の欠点等について情報を集めた.
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