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特集 精神遅滞
精神遅滞の「治療」概念の変遷と今後の課題
Concept of the "Treatment" of Mentally Retarded Persons-Past and future
高橋 彰彦
1
Akihiko TAKAHASHI
1
1愛知県心身障害者コロニー
1Aichi Prefectural Colony.
pp.285-290
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103319
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Ⅰ.「治療」概念の変遷
精神遅滞児の「治療」ということを論ずるための基礎的な概念の整理の手がかりとして,以前に「精薄児に対する治療についての概念的考察」という小論をまとめたことがある4,5).その中で,精神遅滞の治療の考え方や目的の変遷を3段階に分けて整理した.すなわち,
第1段階は,治療ということを,病前の正常な状態に戻すことと解する立場で,精神遅滞児については,知能を上昇させる方法の探索か,あるいは治療不能論かのいずれかになる.グルタミン酸やガンマアミノ酪酸(GABA)の投与によってIQが上昇したかどうか,という議論が盛んであった時期である.
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