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特集 教育(理学療法・作業療法の教授法を中心に)
専門科目教授法の実際―臨床医学
Teaching Methods in Special Subjects: Clinical Education
立野 勝彦
1
Katsuhiko TACHINO
1
1金沢大学医療技術短期大学部
1School of Allied Health Profession, Kanazawa University.
pp.237-240
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103301
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はじめに
現代医学は,複雑および多様化し,従来からの自然科学的側面のみからは対処しきれないようになってきている.つまり人間の科学としての機能を充分に発揮し得ない状態に追いこまれているといっても過言ではない.特にリハビリテーション医学では自然科学的側面の過大な偏重に止まってはならず,社会的存在である人間の科学をも,リハビリテーションの一専門分野である理学療法・作業療法学科学生に教授せねばならない.
もともと理学療法・作業療法学科の教育の目標は,社会の要請に基づいて理学療法士・作業療法士を養成することにあるが,その基本的考え方として,人間を扱う以上,生命の尊厳,それに対する謙虚さを会得し,そして多くの病気が生体の自然的治癒力で治ること,逆に治療士が手を加えて,却って悪化することがあることを悟るよう諭し,またリハビリテーションの中で,理学療法士・作業療法士がチームの中での一員であって全部ではないことをよく認識することができるように,臨床医学教授の中に反映するよう心懸けている.以上がこれから述べる教授法のための基本的教育理念である.
さて医療技術短期大学として始めて本学科が開講されて以来,大学教育としてどうあるべきかを種々模索し,カリキュラムの一部手直しを行ってきているので,以下これらのことを踏まえて述べてみたい.
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