リハビリテーションを理解しよう・4
医療機関と社会をつなぐ道
芳賀 敏彦
1
1リハビリテーション学院
pp.78-81
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913217
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回復期・慢性期におけるリハビリテーションのあらましについては前号に述べたが,この二つの期は少しニュアンスが異なる。回復期は急性疾患であれば急性期に引きつづくきわめて短期間の社会生活へもどる準備期であり,この間には社会生活にもどれる,いわゆる体力づくりに終わることが多い。しかしこれも同じ病気や障害であっても,性・年令によっていくらかの差があり,老人においては青壮年よりこの期間の延びることは当然である。さて慢性期というのはいわゆる慢性疾患(Chronic Disease)にかかった患者,すなわち長期患者(Long-term Patient)の急性期を過ぎた期間で社会生活へもどるにはかなりの期間,疾病によっては年余,10年余かかることもある。このような患者もたとえ長期間かかっても社会へ帰ることがリハビリテーションの最終目的であれば,この期間には一般医療と併行して社会的な復帰に対する準備が行なわれる。そして特に医学的な治療よりも社会復帰に対する各種の準備に重点のおかれる期間が慢性期における回復期といえる。これがどのようにしてまたどこで誰によって行なわれるかは疾病,障害の種類および残された障害の程度,その人の杜会的地位,知的能力によってかなり変わってくる。
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