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特集 整形外科
下腿骨骨折のfunctional bracing―機能的装具療法
Functional Bracing of Fractures of Tibia and Fibula
荻島 秀男
1
Hideo OGISHIMA
1
1高島平整形外科
1Takashimadaira Orthopedic Rehabilitation Clinic.
pp.627-636
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103155
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はじめに
下腿骨骨幹部骨折は頻度も高く統計では国内,国外色色の統計である程度の差はあるが全骨折の15~20%を占めている.
特に脛骨下部1/3は広い部分に海綿骨を欠いていて骨幹の上後方より入っている主動脈の他には栄養血管が少ないので骨折の治癒過程,骨片の癒合に必要である血液の供給も不足気味であるため従来から治り難い骨折の1つと考えられていたし各種の試験問題の正解としても治り難い骨折の1つとしてあげる事が要求されている.また定本とされている神中整形外科学ではいまだに固定期間は12週にもわたるとされている.更に骨癒合とともに関節運動,マッサージ,温浴,歩行練習を開始すると述べられている.従来の方法では膝関節や足関節の拘縮も起こりやすく全体的なリハビリテーションに要する期間も長期にわたる.したがって我々はサルミエントが開始した保存的機能的装具療法でこれらの骨折の治療を行い良好な結果を得た.当院は学生が多くスポーツ損傷が多い地域であり,我々の昭和58年1年間の統計では下腿骨幹部骨折は治療した全骨折例の6%にしかすぎないがかなりの骨片転位であっても,保存的療法の方が機能障害を残す事も少なく癒合状態も満足出来る状態なのでその背景および内容を説明する.
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