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特集 整形外科
人工骨頭ならびに股関節全置換術の適応と問題点
An Operative Indication and Problems of Femoral Head Prosthesis and Total Hip Replacemen
進藤 裕幸
1
Hiroyuki SHINDO
1
1筑波大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, The University of Tsukuba.
pp.637-644
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103156
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はじめに
人工骨頭置換術(Femoral Head Prosthesis:FHP)および股関節全置換術(Total Hip Replacement:THR,または人工股関節)は,現在では一般化した手術の一つである.ちなみに全世界では年間約35万例の種々の部位の人工関節手術が行われており,そのうち約60%の21万例は股関節に行われていると言われている9).また米国N.I.H.(The National Institutes of Health)の1982年の発表18)によると,全米では年間7万5,000例の股関節全置換術が施行され良好な成績を修めているとされている.しかし一方では本手術の短期から中期にかけての成績が極めて良好であり,かつ術後のリハビリテーションも短期で済み問題も少ないことから,ややもすると安易な適応のもとに行われる傾向にある.一方本手術の長期年限の経過観察において種々の問題が生じており,特に“ゆるみ”(loosening)の病因と対策については今後の研究に待たねばならない.したがって本手術の目先の成績に捉われることなく,その問題点を認識し,厳しい適応のもとに,正確な手術手技と,計画的リハビリテーションが良好な成績を得るために不可欠である.
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