Japanese
English
特集 褥創
褥創の管理と指導
Management and Patient Instruction on Pressure Sores
子道 寿美子
1
,
仲田 恵子
1
,
野口 瑞恵
1
Sumiko SHIDO
1
,
Keiko NAKADA
1
,
Mizue NOGUCHI
1
1山陰労災病院
1Sanin Rosai Hospital.
pp.603-610
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102921
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はじめに
近年,人口の老齢化や医療の進歩により,救命はできたが,植物状態となりねたきりになったり,片麻痺のため,ベッド上での生活を余儀なくされた患者が急増している.そして,これらの人々を抱える家庭も多い.
また,一方では,外科,整形外科,泌尿器科的手術を受ける患者の年齢も高く,転倒による大腿骨頸部骨折をはじめ,腰痛などで入院して来る患者も高齢化している.
そういう中で,褥創は我々医療関係者にとっても地域に於ける家庭看護者にとっても大きな課題となっている.
褥創は,一晩で出来ると言われるように,褥創をつくることは容易で治癒させることは難しい.褥創は,重症患者,脊髄損傷患者などの長期臥床患者から,麻痺や円背のある老人,糖尿病など合併症を有する臥床患者,手術,牽引,発熱などによる短期臥床患者まで充分予防に注意を払わなければならない(図1).
褥創は,同一部位(特に骨の突出した部分)に長時間の圧迫が加わると血行障害をきたし,組織の栄養,代謝障害を起こし,組織が壊死することによって生ずる.これを発生させることは看護者の恥とされ,いかに予防すべきか我々看護婦は,家族指導も含めて日夜努力しなければならない.
ここに,当院の実際をあげながら,今一度褥創について考えてみる.
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