医学の話題
褥創,他
O
pp.60-61
発行日 1957年7月15日
Published Date 1957/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910395
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血管が圧迫されて血行が悪くなると一般に圧迫壊死が起る。衰弱して長い間,床に就いている患者の腰やその他骨の突き出している部分等がベットで圧迫されて起るいわゆる褥創は甚だなおりにくくて患者にとつても我々にとつても不愉快極まるものである。その治療としてはベッドに穴をあけたり体位をしばしば変えたり出来やすい部分をアルコールで拭いたり軟膏をはつたりして保護するのだが最近オハイオのFirestone会社ではこれを防いだり治したりするのによいという特別のマツトレスを作り出した。たくさんの直径3cm位のプラスチツク製の細長い袋が,丁度シガレツト・ケースのタバコの様に,マツトレスの中にずらりと横にならんで入つている。これらの袋は一つおきに管で連結されているから結局マツトレス全体は二つの系統の袋から出来ている事になる。電気ポンプでこの2つの系統の袋の中に空気を交互に送り込んだり抜いたりすると患者の体は普通のベツドにねている時と違つて,同じ部分がいつも圧迫されないし,一種のマツサージの効果があるから血行がよくなつて褥創が防げるという理屈にもとずいている。
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