特集 褥創
<随想>
私はこうして褥創を克服した
中西 正司
1
1頸髄損傷者連絡会
pp.610
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102922
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「褥創の克服」この表題を与えられた編集者にはお気の毒ですが,脊損者にとって,「褥創からの解放」も,「褥創の克服」も此岸では有り得ない事です.しかし「褥創」を恐れるあまりベッドに寝ているままではおれませんし,まして仕事があれば,褥創ができても車椅子に乗ったままで褥創を治せなくては仕事になりません.そこで,ここでは「褥創その偏見からの解放」について記してみましょう.
よく医師やPTは,褥創予防のためには,「15分に1回3分間プッシュアップをしろ」と云いますが,現実問題としてこれは不可能なことで,私など睡眠6時間で,1日18時間車椅子に乗りっ放しですが,その間意識的にプッシュアップなどしたことはありません.「悪徳のすすめ」のようですが,実際,1日5~6時間しか車椅子に乗らなかった時と比べれば,その分は尻が丈夫になったせいか,ガーゼを当てることがずっと少なくなっています.
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