Japanese
English
特集 リハビリテーション医学の基礎―正常生理と病態生理
Ⅲ.合併症の病態生理
褥創の発生機序
Etiology of Decubitus Ulcer.
大井 淑雄
1
Ooi Yoshio
1
1自治医科大学整形外科リハビリテーションセンター
1Department of Orthopaedic Surgery and Rehabilitation Center, Jichi Medical School.
キーワード:
褥創
Keyword:
褥創
pp.1030-1036
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103904
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はじめに
褥創(decubitus ulcer,bed sore)は予防が第一であると云われながら臨床医家,ことに慢性疾患患者のリハビリテーションプログラムを遂行する上に常に大きな妨げとなっているものの一つである.常識的には皮膚に長時間の圧迫が加わって局所の壊死をおこし,褥創を形成すると考えられているが,その発生機序を厳密に追求した論文はそれほど多いものではない.それにも拘らず多くの医師や看護婦が褥創の処置に悩まされ続けている13).そのpredisposing factorとなるとこれまた非常に複雑であり,経験的にも精神荒廃,栄養不良,貧血,麻痺,感染,そして発熱などがあげられよう.それに加えて局所の皮膚が糞便や尿で不潔になり,小さな摩擦傷や火傷などが発生すればさらに褥創の形成は加速される.褥創の発生機序についていろいろの点から現在に至るまでの研究を概観しその治療および予防に役立たせるために以下簡単に総説を試みたい.
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