Japanese
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特集 褥創
老年者の褥創に対する医学的管理
Management of Pressure Sores in the Aaged
内山 伸治
1
Shinji UCHIYAMA
1
1石川県立中央病院神経内科
1Department of Neurology, Ishikawa Prefectural Central Hospital.
pp.589-596
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102919
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Ⅰ.はじめに
褥創,いわゆる“とこずれ”は,運動障害を有する神経疾患のみならず,長期間臥床をやむなくされる老年者においてもその発生頻度は少なくない.
褥創の対策は「褥創を作らない」ことにつきるが,一度発生した褥創は難治性となり対策に苦慮する場合もある.褥創からの体液成分の喪失や続発する感染などは,全身状態を消耗させ,リハビリテーションの阻害ともなり,創面治癒の遅延化と同時に新たな褥創の形成を招き,ここに1つの悪循環が形成されるからである.
褥創の成因には,圧迫などの物理的要因の関与が大であると考えられているが,その発生・治癒過程には更に多くの要因がからみ合って存在している.
したがって,褥創の医学的管理においては,これらの要因に対する幅広い理解把握と総合的な対策により,褥創を中心に形成される悪循環を断つことが大きな課題と言えよう.
本稿では,褥創における種々の要因にふれ,主に内科的観点からその医学的管理に言及したい.
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