あんてな
リハビリテーション指定の労災病院の解説と病院一欄
松村 豊子
1
,
米倉 豊子
1
,
小林 英範
1九州労災病院
pp.480-482
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102892
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労災病院の性格
労災病院は,その名称から労災保険(以下労災と略)患者専用の病院と受けとられがちだが,開設後数年の専用期間を経て現在では,労災患者の診療や職業性疾病の認定検査と共に健康保険(以下健保と略)などの社会保険関係の患者の診療も行っている.労災病院は,従来財団法人労災協会によって運営されていたが,昭和32年に労災保険における被災労働者の円滑な社会復帰を促進するための施設として,特殊法人労働福祉事業団に引き継がれており,その時点では19病院であったものが,現在では37病院となり,リハビリテーション(以下リハと略)関係施設では,九州リハ大学校,労災リハ作業所,労災義肢センター等を有する組織となり,災害医学およびリハ医療には古くから実績を上げ,それらは労災病院の特色となっている.
北海道,東北,九州などの産炭地や工業地帯に設置されているため,当初は労災患者の救急病院あるいは外傷病院という印象が強く地域産業と密接に係っていたが,廃抗や労働災害防止対策の強化,労働形態の変化により労災事故が減少した事もあって,現在では病院間で多少の差異はあるが労災患者の取り扱いは3割弱となり,その反面脳卒中や神経筋疾患などの患者が増加し労災病院は非労災化しており,地域住民を対象とする総合病院へと変わりつつある.
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