院内管理のレベル・アップ リハビリ
リハビリテーション部門の管理・4
肢体不自由児施設の運営—子鹿園
江口 寿栄夫
1
1高知県立子鹿園
pp.66-67
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205988
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時の流れ
肢体不自由児施設は,昭和17年に東京の板橋に整肢療護園が発足したのが始まりであり,昭和22年の児童福祉法の規定により,「すべての国民は,児童が心身ともに健やかに生まれ,且つ,育成されるよう努めなければならない」という理念から,漸次各都道府県に設置されるようになった.具体的には,長期間の治療・訓練と教育が必要である肢体不自由児に療育を行うのであり,病気を対象と考えることから,病人すなわち肢体不自由児を対象として考えた施設であり,日本におけるリハビリテーション医学の嚆矢といっても過言ではない.
子鹿園は昭和31年10月に73床で発足しているが,その頃のすべての肢体不自由児施設がそうであるように,入園対象児は主に骨関節結核,先天性股関節脱臼,ポリオ,脳性麻痺(以下CPと略す)その他で,整形外科的治療を必要とするもので,整形外科医を中心にして訓練士(理学療法士,作業療法士の仕事をしていた).看護婦,義肢装具製作者(子鹿園では当初から現在も,施設外から定期的に来園している)のパラメディカルスタッフがあり,入園中の生活指導は保母あるいは指導員が行い,また教育は地元の普通小・中学校の分室で始められた.
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