プログレス
高血圧発生因子についての新知見―遺伝性高血圧は生体膜疾患か
家森 幸男
1
1島根医科大学
pp.263
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102619
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食塩が高血圧に悪いということはもはや常識になっている.しかしどうして悪いのか,今まで説明こそ多かったが充分な説得力がなかった.しかし,遺伝的に高血圧を発症する高血圧自然発症ラット(SHR)や脳卒中易発症SHR(SHRSP)の研究がきっかけとなって,ようやく細胞レベルでそのメカニズムにもメスが加えられつつある.そしてこの1,2年,国際高血圧学会始めこの問題のシンポジウムが各国で次々開催され,徐々にではあるが長い間成因の不明であった本態性高血圧症も細胞膜異常の観点から発症機構の解明が進みつつある.
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