【高血圧診療の新展開】 高血圧の実地診療 白衣高血圧･仮面高血圧･職場高血圧の臨床

診察室で医師が測定する血圧値と,家庭や職場で測定する血圧値とのギャップが明らかになってきた.本来は正常血圧なのに診察室では高血圧となる状態は白衣高血圧といわれ,予後は比較的良好といわれるが,将来高血圧に進展する予備群である可能性もある.本来は高血圧なのに,診察室や健康診断では正常血圧となる状態は仮面高血圧と呼ばれ,将来の脳心血管合併症発症のリスクが高いと報告されている.降圧薬治療中の患者でみられる仮面高血圧は,降圧効果の持続が短いことに起因する.職場高血圧は仮面高血圧の一種であり,肥満,高血圧の家族歴を有する中壮年者に多い