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はじめに
“長年の経験から実際に効果のあがったと思われるもの,こういうことは良かったが,こういうことは良くなかった,など,実践の指導を通して考えられたことをおまとめいただければと思います”.このようにして原稿執筆の依頼を受けて,“はい,はい”と何気なしに簡単に返事を出して,やや日時が経ってから“はた”と気がつき,表題にあるものを改めて見直して,これは大変面倒で不適格なものを引き受けてしまったと思った.あわてて本誌を第1巻1号より第16巻まで,教育に関するものが一体どの位の質と量で掲載されているか調べた.大変残念なことに,予想が当って,もう私ごとき者の意見が入り込む余地は見あたらないほどであった.困ったあげく,考え直して,自分の勉強のためとばかりに,教育に関する専門書の哲学,原理,方法論,心理といったものを読み直し,そして今日まで,何となくわかったつもりでやって来ていた,自分の哲学や臨床教育につき,その裏付けや分析をし,何とか理由をつけ,もっともらしく粉飾しようとしたがよくない.あさはかなもので誌面を汚すのみである.そこで再度考え直して,原点に立ち帰り,常時ではないが何となく反省しつつやって来たものの,実践上に表われた出来事をそのままに記して,それがどのようなものかの分析や判断は諸兄姉にゆだねることにした.
何が良かったか,悪かったか価値判断は大変むずかしい.主観的なものと客観的なものとには差がある.しょせんは私自身主観的な判断をよりどころにしたことの範囲からでていない結果となっている.以後多少まとまりがなく,頭も尾もない不明瞭な事柄を列記していく.
ちなみに本誌に掲載された教育関係の特集は15巻までに7回あり,講座は1講座12回の教育シリーズがある.その他にも多種多様なものがあり,いかに,当面する教育の問題が大きいかが知らされる.PT・OT教育問題のほとんど全てが概略的に把握され,その内容は種種なスタイルで記載されている.
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