今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩
今日における食事療法
高血圧
嶋本 喬
1
,
小町 喜男
2
Takashi SHIMAMOTO
1
,
Yoshio KOMACHI
2
1大阪府立成人病センター・集検1部
2筑波大学社会医学系・公衆衛生学
pp.596-597
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217111
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高血圧症の治療には食事療法は重要である.しかし,高血圧があっても,自覚症状を伴わない場合が多いので,患者本人はそれほど食事療法の必要性を感じていないことが多い.したがって,患者を納得させ,継続的に食事療法を続けるようにするには,よく本人と話し合って,患者の食生活に即した具体的な指導を行うことが必要となる.しかし,食事と高血圧の関連が十分に研究されていなかった過去においては,「塩辛い物を食べないように」「動物性の食品を控えなさい」「アルコール・タバコをやめなさい」「香辛料を控えなさい」などと,断片的な指導にとどまることが多かった.しかも必ずしも高血圧との関連が明確でなく,現在の知見では不必要と思われる制限までも加えたりしたため,本人にとってはまずい食事を長期に続けなければならなくなり,結局実行されずに終わることになりがちであった.
本稿では実地医家が日常診療において行う食事指導を念頭において,指導の基本方針と実際に指導を行う場合に役立つ具体的な資料を紹介する.
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