Japanese
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講座
関節のモビリゼーション 3.脊椎椎間関節および仙腸関節のモビリゼーション
Joint Mobilization 3. Techniques for Spinal Intervertebral and Sacro-iliac Joints
中林 健一
1
,
博田 節夫
1
Kenichi NAKABAYASHI
1
,
Setsuo HAKATA
1
1国立大阪南病院
1Dept. of Physical Medicine, Osakaminami National Hospital.
pp.447-452
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102387
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はじめに
痛みは動作を制限し,理学療法アプローチを阻害する最大の因子であるといっても過言ではない.頸肩腕痛や腰痛などの疼痛性疾患だけでなく,その他の骨関節疾患,CVAや脊髄損傷などの中枢神経疾患,切断たど,リハビリテーションに関連するほとんどの疾患において痛みに遭遇する.しかし今日まで,痛みはその原因さえ明確にされず,理学療法において痛みに対する直接的治療手段は皆無に等しかった.
著者らは当初,椎間関節モビリゼーションを関節包内運動に対する治療手技として導入したが,脊椎においては痛みに対する効果が大きく,Mennell1,2)のいうjoint dysfunctionすなわち脊椎では椎間関節dysfunctionの治療手技と考えるに至った.椎間関節モビリゼーションの臨床応用と並行して治療手技の改良および開発を行い,四肢,頸部および体幹の痛みを四肢関節,椎間関節および仙腸関節のdysfunctionとして把握し,大きな治療効果を得ている3,4).さらに既存の運動療法を併用して,痛みに対する一連の治療体系の再編成を試みている.
以下椎間関節と仙腸関節のモビリゼーションについて,手技を中心に解剖学的基礎から臨床応用までを述べる.
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