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特集 リハビリテーション機器
Ⅱ.日常生活動作別にみた機器
リハビリテーション機器に対する建築的配慮―移動用機器を中心として
Architectural Considerations for Wheelchairs and Patiet-lifters
野村 歓
1
Kan NOMURA
1
1日本大学理工学部建築学科
1Science and Technology, Nihon University.
pp.175-180
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102325
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Ⅰ.はじめに
我が国でも障害者の日常生活の利便性を高めるためにリハビリテーション機器類がよく使われるようになってきたが,対象者にまだ十分に普及しているとはいえない.その理由として,①機器類の開発が遅れている.②価格が高い,特に輸入品は高価である.③障害者自身が機器に対する情報を的確に掴んでいない.④日本の住宅構造・生活様式にリハビリテーション機器類が馴じまない,などが考えられる.しかし,今後はこれらの問題点は徐々に解決されてゆくであろうし,また重度障害者が地域社会の中で日常生活を過ごす傾向がますます強くなっているので今後10年間でリハビリテーション機器の使用者が飛躍的に増加するのではないか,と思う.
そこで筆者は在宅重度障害者が住宅内で使用するリハビリテーション機器を建築学立場から把え,建築計画上,建築工事上配慮すべき事項を整理してみた.ただしリハビリテーション機器といっても広汎に亘るので今回は移動用機器(車椅子・杖・リフター・階段昇降機)に関連した事項だけに限定することとする.何故ならば移動は住宅内の日常生活の基本動作と考えられるし,移動用機器が最も建築構造と係わりが大きい,と考えたからである.
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