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特集 リハビリテーション機器
Ⅱ.日常生活動作別にみた機器
移動:身体障害者の利用を考えた階段昇降用機器
The Stairway Aids
株式会社日本アビリティーズ社長室
President's Office of Japan Abilities, INC.
pp.65-69
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102304
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はじめに
健常者といえども年をとれば,外出時にまず駅や歩道橋などの階段の昇り降りが気になることを,われわれは日常の体験を通して知っている.移動に何らかのハンディキャップをもつ7,440万人についてアメリカ運輸省の行った調査(1978)において,階段(または斜面の)昇降が困難と答えたものは全体の64.9%(この調査では重複回答を認めている)にも及び,他の困難さに比して高率を占めている.またわが国で実施された調査(運輸省,1975)においても,徒歩・電車・バスのいずれの場合でも,最も不便だと指摘された問題点は,すべて階段昇降に関するものであった.このように,階段昇降は,数のうえからも身体障害者にとって大きな問題だと言える.
階段昇降の困難さを軽減する方策の一つとして,ゆるやかなスロープの設置が考えられる.この点について木下ら(1977)は,車いす利用者にも通行できる傾斜路は最大勾配を設ける必要上,構造的に大きな敷地を必要とし,多くの場合,その敷設が困難もしくは不可能となるゆえ,どうしても昇降機によって補う必要があるとしている.
身体障害者の自立にとって,また介助者の負担をできる限り軽減するという立場からも階段昇降用機器の活用は有益となろう.
本稿では,身体障害者の利用を考えた階段昇降用機器についてまとめた.
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