Japanese
English
特集 整形外科的疾患から
股関節手術後の理学療法
Physical Therapy for Hip Fracture after Surgery
小沼 正臣
1
Masaomi ONUMA
1
1東京都養育院付属病院
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital.
pp.737-742
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102258
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
リハビリテーションの発展に伴い,我々理学療法士の取り扱う疾患も多様化している.したがって,ある意味では専門分化されることも意義あることであろう.日進月歩である今日の医学の中で,当然整形外科的治療手段も改善されている.理学療法士が整形外科分野の理学療法を軽視するということであれば,はなはだ不遜な態度であるといえる.高度の知識と技術を培う教育意識は重要であるが,反面,足下がおぼつかない頭でっかちとなり,心の無い現学療法士が完成してしまっては手遅れである.
本稿を書くにあたり,以上の反省の中でいくつかの問題を提起してみた.
東京都養育院付属病院は,昭和47年に65歳以上の老人専門病院として開設された.以来理学療法科に依頼のあった整形外科疾患も数多い.股関節に関する疾患は,大腿骨頸部骨折,変形性股関節症,大腿骨頭無腐性壊死,慢性関節リウマチ,結核性股関節を含めた種々の関節炎,癌の骨転移,などが挙げられる.その中でも大腿骨頸部骨折の症例数が圧倒的な割合いを占める.本骨折の治療法についてはいまだ論議されるところだが,老人専門病院という特殊性から高齢者に多発する大腿骨頸部骨折術後の理学療法に的を絞ってみた.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.