特集 関節リウマチの最新治療と理学療法
関節リウマチに対する関節手術後の理学療法
高山 正伸
1
,
二木 亮
1
,
阿部 千穂子
1
,
長嶺 隆二
2
Masanobu Takayama
1
1杉岡記念病院リハビリテーション科
2杉岡記念病院整形外科
pp.200-208
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106221
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はじめに
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の治療においては,生物学的製剤の登場により,関節破壊の抑制ができるようになってきた.しかし既に破壊が進んだ関節では外科的治療を要する.一般的に,RAの手術は除痛,関節可動域拡大,機能改善,変形矯正を目的に行われる.RAに対する関節手術の多くは関節形成術(人工関節手術を含む)と関節固定術に分けることができる(表1).前者は4つの目的すべてを達成し得る手術であるが,後者は関節可動域を犠牲にして他の目的を達成しようとする手術である.関節は部位によって役割が異なり,可動性が要求される部位もあれば固定性が要求される部位もある.原則として,可動性が重要な部位では関節形成術が選択され,関節形成術の成績が芳しくない部位もしくは可動性をあまり必要としない部位では関節固定術が選択される.
関節形成術における理学療法では関節可動域拡大が大きなポイントとなる.関節固定術では関節の可動性を失わせることが目的であるため患部に対しなすべきことは何もないが,二次的な影響や術後ADL(activities of daily living)を踏まえた理学療法が必要となる.本稿では代表的な手術法を取り上げ,術後理学療法について解説する.
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