発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001160407
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股関節手術症例を対象に,フットポンプと肺塞栓発生率との関連について検討した.肺塞栓はフットポンプ群42例中9例(21.4%)に,対照群20例中11例(55%)に認められ,フットポンプ群が有意に低かった.肺塞栓スコアもフットポンプ群0.31,対照群1.28と,フットポンプ群で有意に小さかった.フットポンプは肺塞栓の発生軽減に有効であることが示され,重篤な合併症もない,安全で有用な予防法と考えられた.また,肺塞栓の危険因子についての検討から,人工股関節置換術(THA)ではフットポンプ群での肺塞栓発生率が対照群に比べて有意に低いこと,対照群における肺塞栓症例の平均年齢は,非肺塞栓症例に比べ有意に高いことが判明した.THAにおいては何らかの予防策を講じなければ,高齢者のリスクが高くなることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2001