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特集 片麻痺患者のリハビリテーション目標
片麻痺患者のリハビリテーション目標設定
Goal Setting in the Rehabilitation of Hemiplegic Patients
渡辺 淳
1
Jun WATANABE
1
1中通リハビリテーション病院
1Nakadoori Rehabilitation Hospital.
pp.381-386
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102163
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Ⅰ.はじめに
リハビリテーション医学における評価およびそれに基づく目標設定は重要な研究課題の一つである.ところが,評価に関しては多数の報告があるが,目標設定に関しては邦文では第14回日本理学療法士学会におけるシンポジウム「ゴールセッテングを考える」をまとめた「臨床理学療法」誌1)以外にはほとんどない.このシンポジウムでは,障害としては片麻痺の他に脳性麻痺や脊髄損傷なども取り上げているが,それぞれのシンポジストの目標設定に対する論点が異なるためかみあった討論にならなかったのは惜しまれる.福井は,このシンポジウムの中で,目標設定という言葉は日常ややもすれば安易に用いられているが,実際には多くの難しい問題をかかえていることを指摘している.シンポジウムの中で全国集計による最終目標の達成率は,入院患者で68.8%であるとの報告は,それを裏書きする結果となっている.
表題は,片麻痺のリハビリテーションの目標設定であるが,片麻痺の中でもっとも多い脳卒中に限定し,当院の初回の目標設定と退院時の目標達成率を報告し,当院における目標設定の問題点と今後の方向を検討する.
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