プラクティカル・メモ
調節可能型下肢装具の試作
塚野 信
1
,
今井 基次
1
1東京都職員共済組合清瀬病院
pp.878-879
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102056
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CVAの後遺症である片麻痺患者に対して発作後,早期に下肢装具を装着させ立位,歩行訓練の際,装具の役割としてあげられることは,患側に体重支持不全な患者に体重支持を可能にし,反張膝,膝屈曲位拘縮,足内反尖足などの変形の予防または矯正,歩行時に出現する膝のロッキングや内反などの不随意運動をコントロールできることがある.早期に立位が確保できれば全身状態も良く,回復を早め,入院期間を短縮することも可能である.つまり,早期に装具を用いることは,患者が早く社会復帰できることに対し重要な役割を果たすと考えられる.
現在,我国においては医師により装具が処方されることになっているが,実際はPTやこの方面の比較的経験の浅い医師などにより処方される場合も少なくない.この時,患者の状態や装具の構造,適応という問題において満足のゆく装具が処方されていないこともあるように思われる.そこで今回,我々は石倉義肢製作所の協力を得て,前述した問題点が多少とも解消されるように,ネジを調節することにより,長さや周径を各人に適応させる事ができ,かつLLBにもSLBにも簡単にできる「調節型下肢装具」を米国で開発されているこの種の装具のカタログよりヒントを得て作成した.
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