精神科作業療法
精神科作業療法の先達に聞く(その2)―臺弘氏に聞く(3)
臺 弘
1,2
,
関 昌家
3
1山田病院
2創造印刷
3花園病院
pp.873-876
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102054
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関 作業療法の中で,ものすごく単純な図形を見せて,このとおりやりなさいといってもできない.それを今までですと,心理的な側面でとらえてしまったりしてますね.ものの認知がダメなんだという風に片付けてしまっていたところがあるような感じがしますが.
臺 こんなのもあるんですよ.これは医科歯科大学の島薗安雄さん,それから安藤克己さという人がやった仕事ですけれども,アイカメラを使って視線の動きを見ていると普通の人だったらあのカレンダーならカレンダー(大きなカレンダーを指さす)を見るとすれば,まず四隅を見ますよね.そして中をスキャンニングするんですけれども,患者さんの場合には,小さいところをチョコチョコとしかみないんです.その次に「どんな絵だったかそれを再生してごらん」といっても非常に簡単な絵でも再生できなかったり下手だったりすることがあるんです.ところがその患者の家族にまた同じような状態があるんです.普通の人のような目の動きをしないんです.(笑)これは不思議ですなア.ほんとに不思議なことばっかりですワ.
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