プラクティカル・メモ
膝関節拘縮矯正装具の試作
奈良 勲
1
,
生田 光子
2
,
寺田 茂
2
,
井村 和子
2
,
霜鳥 隆
3
1金沢大学医療技術短期大学部
2金沢赤十字病院
3金沢義肢
pp.672
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104116
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膝関節拘縮の矯正もしくは改善を目的とした装具として,ターンバックル方式の膝装具が多く利用されている.筆者らも過去その装具を何度か臨床的に用いたことがある.しかし,ターンバックル方式の欠点は,関節可動域を調節する目的でターンバックルを操作するとき,力が加えにくく,特に最終関節可動域近くになると,それが指摘されることである.また,関節可動域の調整を患者自身が行うことは,上記した点に加え,ターンバックルの位置からして,容易ではない.筆者らはそれらの点を踏まえ金沢義肢との共同で,quengel矯正法にヒントを得て(図1)膝装具を試作し(図2),ここ幾(いく)年か臨床的に用いているので紹介したい.
われわれが試作した膝装具の機構(図3)の要点は下腿と大腿支柱の継手の部分に長尺のボルト(鉄製)を通すナット(鉄製)を取り付け,さらに長尺のボルトの先端を接着したバー(アルミ合金)を下腿と大腿支柱に可動性をもたせ接続したことである.ボルトの取手には手で握りやすい形のプラスチック樹脂を付け操作時に力を加えやすいようにした.ボルトを締めると,その先端に接着したバーを介して支柱に力が加わり,膝関節を伸展させ,ボルトを弛(ゆる)めるとその逆になる.
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