短報
風呂用短下肢装具の試作
平上 二九三
1
1川崎医科大学附属病院リハビリテーション科
pp.493-494
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102190
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はじめに
整容動作の中で入浴できるか否かは,ADL上重要であり,また厄介な問題の一つである.我々も病棟での入浴介助,あるいはhome programの設定という場面で頭を悩ます症例に出合った.その対策として,我々の試作した風呂用短下肢装具が,患者から好評を得たので紹介する.
風呂用短下肢装具として,一般的な短下肢装具の機能に加えて,①吸水性のない材料で漏れてもかまわないこと,②水を含まない形で水切れの良いこと,③すべりにくいこと,④体を洗うということから最小限の接触であることが要求される.これらの条件をできるだけ満足させるデザインと素材の検討を行った.材料はヘキソライトを使った.高分子物質の多くは水を吸収する傾向にあるというが,ヘキソライトは実際上その問題はなく,meshであることは最適である.42~3℃の水温で塑性の問題もなかった.型はできるだけ足底部の感覚を残すために踵部と前兄部を露出するように努めた.
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