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第4回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
入賞:中途失明・前腕切断者へのチームアプローチ―自助具等の工夫を中心に
Team Approach for Rehabilitation of a Blind, Bilateral Below Elbow Amputee
古川 宏
1
,
村上 琢磨
1
,
鈴木 文子
1
,
田中 徹二
1
,
石倉 泰之
2
Hiroshi FURUKAWA
1
,
Takuma MURAKAMI
1
,
Fumiko SUZUKI
1
,
Tetsuji TANAKA
1
,
Yasuyuki ISHIKURA
2
1東京都心身障害者福祉センター
2石倉義肢製作所
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center for the Physically and Mentally Handicapped.
pp.851-857
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102050
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I.はじめに
筆者らは,両眼盲および両前腕切断(Krukenberg肢)の重複障害者に総合的なリハビリテーション訓練を実施した.その結果,種々の技術が実用水準に達し自立した生活をおくる段階にいたった症例を経験したのでそのあらましを報告する.特に今回は,盲人切断者の最大の問題点である移動用の盲人杖を試行錯誤しながら,Krukenberg肢の感覚を最大に生かし,杖からの情報を十分に得られかつ簡単に装着離脱ができ用途に応じて折れ曲る盲人杖の考案および製作と自助具等の製作についてを中心に報告する.
Krukenberg手術は,前腕切断者,両上肢先天奇型等に適応のある手術で,断端の感覚がそのまま残ること,把持能力を有することが特徴である.この点で盲人切断者には極めて有効である.手関節離断,前腕長断端切断において橈骨,尺骨間を縦に二分割し前腕の回内動作により両断端が開き,回外動作により両断端が閉じ物を把持できる.
文献的にはEnzinna1)は両眼盲および両前腕切断者に左手のみKrukenberg手術を行い右手には前腕能動作業用義手を装着し,その義手で盲人杖を把持し,歩行訓練,日常生活動作訓練を行った症例報告をしている.
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