とびら
近くて遠い専門職への道
谷島 朝生
1
1川崎市心身障害総合センター
pp.433
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101933
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「誤解や言い過ぎがあったらお許し願いたい」と言う書き出しで文を綴ることは,多少心苦しいが,自己批判のつもりであると御理解頂いた上で稿を進めることとする.一昔前の,リハビリテーションと言えば万能薬,理学療法士と聞けばお医者様より権威があると思われたブームが過ぎ去った昨今,我々の手には何が残されたのだろうか.厚生大臣の名前入り紙切れ1枚と輸入品の知識,それにいくらかの経験がその証の全てであるとしたら,佗しさを禁じえない.さらにその残照の陰に,どうにもならない助手問題,雨後のタケノコのように乱立する養成施設,人件費もペイできない診療報酬等々,十字架を背負わされていることもまた,紛れのない事実であろう.
こうした四囲の厳しい現実の中で我々は15年の間,専門職への道を模索してきたが,探し求める青い鳥とはどこにいるのだろうか.
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