卷頭
道は近きにある
小川 鼎三
1
1東京大学医学部
pp.48
発行日 1950年10月15日
Published Date 1950/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905535
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電子顯微鏡がかつわれはじめてから,濾過性病原体もみえるようになり,生活体の構造も非常にこまかいところまで明らかにされようとしている.すでに結合組織の纎維や神経の軸索などについて今までの光学顯微鏡ではとうていわからなかつた構造が明らかにされたといわれ,電子顯微鏡の偉力とその將來の発展性が大いに感ぜられるのである.
一方では同位元素を生活体にとりこませて,その行方を追求することによつて体内でおこる化学作用の一部はこの方法によつて自分の手のひらを眺めるごとく,容易に知られようとしている.
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